前回は、ねんきん定期便の各項目について説明させていただきました。
今回はそのなかでも、どこにポイントをしぼって見ればよいかについてお話したいと思います。
ポイント1. ねんきん加入期間【年金を受け取れるかどうか】
そもそも国民年金(厚生年金)を受給するためには、
「年金を受け取るために必要な資格期間」を満たしていなければなりません。
もしその期間を満たしていないという方は、あと何か月払えば資格を得られるのかを確認しておきましょう。
↓必要な期間
◉老齢年金を受け取るために必要な期間……合算して10年
・遺族年金を受け取るために必要な期間……合算して25年
・加給年金や振替加算がつくかどうか……厚生年金だけで20年
確認しておきたいのは◉の「老齢年金を受け取れるかどうか」だと思います。
2年前の法改正で、その期間が25年から10年に縮められ、より多くの方が年金を受給できやすくなりました。
ポイント2. 支給開始年齢【何歳から年金を受け取ることができるか】
原則、現在はポイント1の「ねんきん加入期間」を満たしていれば、
65歳から老齢年金を受け取ることができます。
しかし、実は少し前までは60歳から受給することができました。
その後、高齢化社会や少子化など社会の動向によって、その開始年齢が65歳に引き上げられました。
したがって当時の年金制度のもと年金を支払ってきた方々にとっては
「今まで60歳から年金をもらえると思って支払ってきたのに、突然65歳からしかもらえないなんてひどい!」
ということで、以前の年金制度の世代の方には、その開始年齢を60歳〜65歳の間で段階的に早められることになっています。
3. 年金額【年金がいくらもらえるか】
現段階で65歳からの老齢年金がいくらもらえるのかが記載されています。
「これって1ヶ月分の金額?」と思われる方がいらっしゃるのですが、「年金」なので、1年間にもらえる総額になります。
そのため、この金額を12分割すると、1ヶ月あたりの金額が分かります。
また、この金額は現段階で支払った分に対してもらえる金額になるので、今後納付するにつれて、もちろんこの額は増えていきます。
ねんきんネットとは?
これらのねんきん定期便に書かれている内容は、年に一度のねんきん定期便だけでなく、
「ねんきんネット」というサイト上でいつでも閲覧することができます。
ねんきんネット
https://www.nenkin.go.jp/n_net/
「ねんきんネット」では電子版の「ねんきん定期便」を閲覧できるほか、
年金記録や年金見込額、
日本年金機構から郵送された各種通知書の内容が確認できます。
ただし、はじめにマイページ登録をする必要があります。
「ねんきん定期便」の裏面に記載されている「アクセスキー」があるとスムーズに登録することができますので、
その場合は「申請用トップページ」の「ご利用登録(アクセスキーをお持ちの方)」から入って登録をしましょう。
ちなみにこのアクセスキーの有効期限は3ヶ月だけなので、
もし期限が切れた場合は使うことができません。
その場合は同じく「ご利用登録(アクセスキーをお持ちでない方)」から入り、
アクセスキー以外の内容(基礎年金番号などは必要です)を入力して登録をしましょう。
入力が完了したら、「ユーザーID」が郵送されてきます。
再び、ねんきんネットでその情報を入力すれば、
利用することが可能です(郵送されるまで5営業日程度時間を要します)。
老後の資金計画をするにあたって、どれくらい年金を受給できるかということは欠かせない情報です。
その年金額を知ることで、
「夫婦でこれくらい受給できるなら、この歳でリタイアしてもいいなあ」
「フルタイムではなく、アルバイトでもやっていけるかな」
などの選択肢が生まれるかもしれません。