みなさんは、マイクロ法人やプライベートカンパニーという言葉をご存じですか。「節税になるという話も聞くけれど、実態はよくわからない。なんだか難しそう・・・」そう思われている方も、多いのではないでしょうか。
今日は、個人事業主の方がマイクロ法人を設立する場合のメリットやデメリットについてお話します。
個人事業主の方向け!マイクロ法人設立のメリットとデメリット
①マイクロ法人ってなに?
②法人化のメリット
節税対策ができる
社会保険料を節約できる
事業の信頼性が増す
③法人化のデメリット
設立費用が必要
税務の手続きが複雑になる
赤字でも納付する税金の負担がある
④まとめ
マイクロ法人ってなに?
マイクロ法人とは、社長一人で事業を運営する会社のことです。そのため、プライベートカンパニーとも呼ばれます。
また、会社の形態は「株式会社」と「合同会社」の2種類があります。株式会社は社会的信用度が高いというメリットがあるのに対し、合同会社は設立費用が安いことが特徴です。
法人化のメリット
節税対策ができる
法人化をすることは、節税対策に繋がります。具体的には「所得税」と「消費税」の2つです。
自分の報酬が経費計上でき、給与所得控除も適用される
法人を設立すると、会社から「役員報酬」という形で自分の給与を得ることになります。この役員報酬は会社の経費になるため、経費の計上と給与所得控除といった2つの恩恵が受けられるのです。
消費税が免除になる可能性がある
事業の売上が1000万円を超えると、その翌々年から消費税の納付義務が発生します。そのため、税理士業とコンサルティング業など、事業の内容が異なる場合は、個人事業主として得ている売上の一部を法人化して売上をわけるケースも多いです。それにより、それぞれの売上を1000万円以内に抑えることができ、消費税が免除になる可能性があります。
社会保険料を節約できる
法人を設立すると「個人事業主」から、給料を受け取る「会社員」の立場に変わります。それに伴い、加入する保険も「国民健康保険」と「国民年金」から、「社会保険」と「厚生年金」にかわります。
国民健康保険料は、保険料は個人の所得に応じて高くなります。一方、社会保険の場合は「役員報酬額」によって決定されます。つまり、役員報酬額を低く抑えれば、国民健康保険に比べて社会保険料の負担を抑えることができるのです。
また、厚生年金は国民年金に上乗せ給付される制度です。そのため、厚生年金に加入することで将来の年金受給額を上げることが期待できます。
事業の信頼性が増す
個人事業主と比較すると、会社は社会的な信用力が高まります。「代表取締役」として名乗ることができるようになり、新規顧客を獲得しやすくなることも。また、銀行から融資を受けやすくなるというメリットもあります。
法人化のデメリット
設立費用が必要
大まかな金額でいうと株式会社なら約24万円、合同会社なら約10万円ほどかかります。また、資本金も必要になってきます。銀行口座の開設の際に審査が通りにくくなる可能性を考えると、最低でも100万円以上は用意する必要があります。
税務の手続きが複雑になる
法人の経理と申告は、法人ならではの税金があったり、複雑な税務書類があったり、個人事業主でやるより難易度が高いです。自分でやるのは難しい場合には、個別で税理士を頼むなどの対応が必要になってきます。
これまでは自分でやっていた税務を外部に依頼することで、費用面の負担が増えることも考えられます。
赤字でも納付する税金の負担がある
マイクロ法人を設立すると、赤字の場合でも法人住民税を支払わなければいけません。住民税の均等割(最低年間7万円)などの費用が毎年発生します。
住民税に税務手続きの費用などを合わせると、毎年30万円程度が会社を維持するために必要になってきます。
まとめ
マイクロ法人を設立し、事業の一部を法人に移すことで、税金や社会保険料の節約ができることが法人化のメリットです。ただし、その分費用や手間もかかってくるので、一概に法人化したほうがいいとはいいきれないでしょう。
新しい制度の導入予定もあり、いま法人化するにはタイミングも重要になってきています。自分に場合はどちらがメリットになるか、しっかりと見極めたいですね。