今回は年末調整や確定申告について、基礎的なところをまとめました。
年末調整と確定申告の違い
①年末調整は1年間の所得税を清算する手続きのこと
②確定申告は所得の申請手続きのこと
③年末調整と確定申告で受けられる控除の違い
④年末調整は給与を支払われている従業員全てが対象
年末調整は1年間の所得税を清算する手続きのこと
年末調整は所得税の払いすぎや不足分を年末に調整し、清算する手続きのことです。企業に勤める会社員の場合、毎月の給与や賞与から、社会保険料や住民税などと一緒に所得税も天引きされています。
しかし、毎月引き落とされている所得税はあくまでも概算で決められているため、正しい所得税を計算しなおす必要があります。1年間の所得税を計算し、多く払いすぎていた場合は返金、足りない場合は徴収するのが年末調整の役割です。通常、10~12月の時期に行われます。
確定申告は所得の申請手続きのこと
年末調整がない個人事業主やフリーランスの場合は、確定申告が必要です。毎年2月16日から3月15日までの期間に、税務署へ前年(1月~12月)の所得を申告します。そして確定した所得から計算された所得税を、一括または分割で支払います。
基本的には、年末調整を行っている従業員であれば個人で確定申告をする必要はありません。しかし、副業や兼業などで所得がほかに年間20万円以上ある場合や、医療費控除など年末調整で対応できない控除を受ける場合は確定申告が必要になります。
年末調整と確定申告で受けられる控除の違い
年末調整で受けられる控除は、基礎控除や配偶者控除、扶養控除の他にも各種保険料の控除などがあります。idecoを活用している場合の小規模企業共済等掛金控除も、年末調整での申請が可能です。しかし、医療費控除や雑損控除、ふるさと納税などの寄付金控除を受けたい場合は、確定申告が必要になります。
年末調整は給与を支払われている従業員全てが対象
年末調整は、基本的にはアルバイトやパートも含め、給与を支払われている従業員全てが対象になります。年収が103万円以下なら年末調整は必要ないと思われがちですが、給与が月額88,000円を超えている月は所得税が天引きされている可能性があるので注意が必要です。
年収が103万円以下でも、一年を通して勤務していたり月額88,000円を超える給与がある場合、忘れずに年末調整を行うようにしましょう。